「自在の照明 非日常を鮮やかに」

 きょうの朝日新聞夕刊の「惜別」のコーナーに、「自在の照明 非日常を鮮やかに」という見出しで、ゼフィレッリの追悼記事が載っていました。
 数々の名演出の源となる夢を見る力を培ったのは、幼少期の絶望的なまでの孤独だったといいます。法律上の名前をもてずにいて、ゼフィレッリというのは、モーツァルトのアリアの曲名をもとにして与えられた架空の姓なのだそうです。
 歌劇に傾倒したのは、音楽が喚起する世界の多様さにのめりこんだからだといいます。特にこだわったのは、音楽の印象を増幅する照明の扱いだそうです。ろうそく1本の火で背景の影を精妙に操ったり、舞台を過剰なまでにまぶしく照らしたりしたといいます。
 1980年代のミラノ・スカラ座の来日公演で照明監督を務めた方は、「観客をあっと驚かせることで、非日常の空間を実に鮮やかに現出させた」と語っています。
 たしかにその通りで、わたしも、クライバー指揮の「ラ・ボエーム」で、あっと驚きました。

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