この記事は、1996年から若杉さんとNHK交響楽団が、ブルックナーの九つの交響曲を連続演奏し、そのライブ録音が、10枚組CDとなって発売されたことに関するものです。
若杉さんは、ブルックナーに荘厳も神秘も耽美も求めず、とにかくはきはきと発語の明瞭さが際立つといいます。抑揚くっきり、リズムはっきりで、天真爛漫で恐れを知らずによくしゃべる子どものようなブルックナーだということです。
若杉さんの若さは、未熟さや軽さとは無縁で、青年の覇気と子どもの好奇心の切り結ぶところに輝くもので、万年青年のみがなせる至芸だということです。そういう点でも、このCDは、若杉さんの再評価を迫る全集だといいます。
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