ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」

 ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」をひさしぶりに聞きました。CDは、クライバー盤です。  この曲は、一時期、聞きなれたせいか、もうそんなに聞かなくてもいいと思いましたが、最近、またときどき聞きたくなります。闇から光明へというテーマも、ごりっぱですというように思ったときもありますが、いまは、単純に音楽的にというより音的に、一気に解放されるところが気持ちいいと思うようになりました。それは、もち…

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「巨人ベートーヴェン 革命家降臨」

 『レコード芸術』の特集「巨人ベートーヴェン 革命家降臨」を読みました。  今年がベートーヴェンの生誕250年という記念の年であるので、何回か特集を予定しているようです。その第1弾は、その人と作品に焦点をあて、ベートーヴェンはいかにして前人未到の巨大な存在となったか、また音楽史の新しい扉を開くこととなったその作品はどのように生まれたのか、その秘密を探るというものです。  生涯と作品の変遷史、…

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べートーヴェン 交響曲第8番

 ベートーヴェンの交響曲第8番をひさしぶりに聞きました。CDは、カラヤンの1975~77年盤です。  この曲は、第7番と並んで、ベートーヴェンの交響曲のなかでは好きな方です。ベートーヴェンの交響曲のなかでは楽しい感じがするからです。カラヤン盤は、全体的にテンポが速めです。もう少しゆっくりでもいいなかなと思います。この曲は、カラヤンの実演を聞いたことがあり、そのときもずいぶん速めだったと思います…

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ベートーヴェン 「フィデリオ」

 少し前にBDを作った、ベートーヴェンの歌劇「フィデリオ」を見ました。  これは、ミラノ・スカラ座の2014/2015シーズン開幕公演で、フロレスタンをクラウス・フロリアン・フォークト、レオノーレをアニヤ・カンペが歌い、ダニエル・バレンボイムが指揮をしています。  BDを作ったときに、服装が現代のものだったということに気がつき、ちょっとがっかりしました。よく書いているように、わたしは、オーソ…

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ベートーヴェン トルコ行進曲

 ベートーヴェンのトルコ行進曲を聞きました。CDは、オーマンディ盤です。  このオーマンディ盤は、「マーチの祭典」という題名がついている行進曲集です。同じような行進曲集のCDを持っているのですが、それにはこのベートーヴェンのトルコ行進曲が入っていなかったので、この1曲のためにオーマンディ盤を買ったといってもいいくらいなのです。  この曲は、劇付随音楽「アテネの廃墟」の第5曲です。当然、管弦楽…

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ベートーヴェン ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲

 ベートーヴェンのピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲を聞きました。CDは、リヒテル/オイストラフ/ロストロポーヴィチ/カラヤン盤です。  この曲は、名前の通り、三つの独奏楽器を必要とするめずらしい協奏曲です。作曲の経緯はよくわかっていませんが、CDの解説によると、「ピアノの弟子で彼のよき理解者であったルドルフ大公に供するためという説が有力」だそうです。  この演奏については、まず…

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ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第16番

 ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第16番を聞きました。CDは、スメタナ四重奏団盤です。  この曲は、最後の弦楽四重奏曲というだけでなく、ベートーヴェンのまとまった作品としては最後の曲です。第4楽章には、最初に「苦しんでつけた決心」という言葉が書かれ、それから歌詞のように「そうでなけ ればならないか?」、「そうでなければならない」と音符の下に書かれています。これは、弦楽四重奏曲第13番のパート譜の…

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ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第15番

 ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第15番を聞きました。CDは、スメタナ四重奏団盤です。  この曲は、ロシアのガリツィン侯爵の注文によって作曲された3曲の弦楽四重奏曲の1曲です。作曲途中でベートーヴェンが病気にかかり、しばらく中断ということになってしまいます。しかし、そのことにより、当初の計画になかった第3楽章が加わります。その第3楽章には「リディア旋法による、病気から回復した者の神に対する聖なる…

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ベート-ヴェン 弦楽四重奏曲第14番

 ベート-ヴェンの弦楽四重奏曲第14番を聞きました。CDは、スメタナ四重奏団盤です。  この曲は、後期の傑作の一つで、ベートーヴェン自身もすぐれたできばえと思っていたようです。曲の構成は、7楽章と楽章数も多く、全曲切れ目なしに演奏するようになっているというように、ちょっと変わったつくりになっています。  スメタナ四重奏団の演奏は、それほど高く評価されていないようですが、わたしには、昔のイメー…

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ベートーヴェン 荘厳ミサ曲

 ベートーヴェンの荘厳ミサ曲(ミサ・ソレムニス)を聞きました。CDは、クレンペラー盤です。  この曲は、ベートーヴェンのよき理解者であった、ルドルフ大公の大司教就任を祝う式典で演奏するために作曲が始められました。ところが、ベートーヴェンがめったにないくらい集中して作曲したにもかかわらず、どんどん曲想が浮かび、規模もとても大きくなってしまったので、大公の就任式典には間に合いませんでした。演奏時間…

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ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲

 あけましておめでとうございます。ことしもまたよろしくお願いいたします。  去年は、日本にとってたいへんな1年になってしまいましたが、ことしがみなさんにとってよい1年になりますように。  ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を聞きました。CDは、ハイフェッツ/ミュンシュ盤です。  ハイフェッツの3枚組のCDもこれが最後の曲になりました。他の曲は、ほとんどその曲の決定盤的存在ですが、この録…

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ベート-ヴェン ピアノ協奏曲第3番

 ベート-ヴェンのピアノ協奏曲第3番を聞きました。CDは、グルダ/シュタイン盤です。  この曲は、ベート-ヴェン自身が自信を持っていたようですが、第1番・第2番にくらべるとぐっと充実したものになっています。のちの第4番や第5番「皇帝」のように、冒頭いきなりピアノが登場したりせず、型どおりにオーケストラの主題提示のあとピアノが登場しますが、ダイナミックな曲想などこれ以前にはあまりなかった新しさも…

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ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番

 ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を聞きました。CDは、グルダ/シュタイン盤です。  この曲は、次の第5番「皇帝」と同じように、冒頭、いきなりピアノで開始されます。当時の協奏曲は、オーケストラによって主題が提示され、しばらくしてから独奏楽器が登場するのが普通でしたから、モーツァルトのピアノ協奏曲第9番「ジュノーム」の例はありましたが、画期的だったはずです。  冒頭のピアノの旋律には、交響…

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ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲

 ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を聞きました。CDは、シェリング/イッセルシュテット盤です。  この曲のCDは、チョン・キョンファ/コンドラシン盤を持っているのですが、もう1枚ほしくなり、廉価盤のなかで名盤と言われるこのシェリング/イッセルシュテット盤を買いました。このCDを含むフィリップスのスーパーベスト100シリーズ(このCDはデッカが原盤ですが)は、もうすぐ手に入らなくなるのではない…

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ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第11番「セリオーソ」

 ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第11番「セリオーソ」を聞きました。CDは、スメタナ四重奏団盤です。  「セリオーソ」という題名は、ベートーヴェンの自筆譜に書かれていたものですが、出版にあたっては削除されてしまいました。もともとは第3楽章につけられた曲想を表す用語で、「厳粛に・荘重に・まじめに」といった意味です。この曲が作曲されたのは、「エリーゼのために」と同じ1810年で、テレーゼ(ベートーヴ…

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ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第12番

 ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第12番を聞きました。CDは、スメタナ四重奏団盤です。  この曲は、第11番以来十数年ぶりに作曲した弦楽四重奏曲で、後期の作品の始まりの曲ともいえるものです。古典的な4楽章で構成されていますが、内容的には深いものがあり、演奏時間は35分くらいを必要とする大作です。  ベート-ヴェンの弦楽四重奏曲の名盤といえば、アルバンベルク四重奏団盤がとりわけ有名ですが、わたし…

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突発性難聴

 突発性難聴になってしまいました。  いまでも毎日ピアノを弾いていますが、突然、そのピアノの音が右耳のなかでもう一つ響いているような感じになってしまったのです。インターネットで調べてみたところ、「音が二重に聞こえる」とか「エコーがかかったような感じ」とか「ある特定の音だけやけに響いて不快」といった表現があり、まさにその通りの症状だったのです。  原因ははっきりしていないようなのですが、早めに…

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ベートーヴェン 交響曲第4番

 ベートーヴェンの交響曲第4番を聞きました。CDは、ワルター盤です。  この曲の特徴について、シュ-マンが「2人の北欧の巨人にはさまれた美しいギリシアの乙女」と言ったといわれます。2人の北欧の巨人というのは、「英雄」と「運命」のことです。その2曲と違って、厳しさや激しさといった面はほとんどなく、おだやかな感じに満たされています。  しかし、わたしは、このワルター盤以外にカラヤン盤も持っている…

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ベートーヴェン 「田園」

 ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」を聞きました。CDは、ワルター盤です。  この曲は、 交響曲第5番「運命」とほぼ同時進行で作曲され、対照的な性格をもっています。きびしい「運命」に対して、ほがらかな「田園」といったところでしょうか。ベートーヴェンは、交響曲第7番と第8番でも同じようなことをしています。  「田園」という題名は、「運命」などと違って、ベートーヴェン自身がつけたもので、各楽章…

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ベートーヴェン 序曲集

 ベートーヴェンの序曲集を聞きました。CDは、カラヤン盤です。  ベートーヴェンは、交響曲をはじめ多くの種類の名曲を残しています。しかし、管弦楽曲というと、いくつかの序曲くらいしかないというのはちょっと不思議です。  このCDには、「プロメテウスの創造物」序曲、「シュテファン王」序曲、「アテネの廃墟」序曲、「エグモント」序曲、「コリオラン」序曲「劇場の献堂式」序曲、 「レオノーレ」序曲第3番…

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ベートーヴェン 「熱情」

 ベートーヴェンのピアノソナタ第23番「熱情」を聞きました。CDは、グルダ盤です。  この曲は、ベートーヴェン中期の傑作で、ピアノソナタのなかでももっともすぐれたものの一つといわれます。「熱情」という題名は、ベートーヴェンがつけたものではなく、のちに楽譜が出版されるときにつけられたものです。これも曲の特徴をよくとらえた題名だと思います。  第1楽章は、静かに始まりますが、運命の動機とともにし…

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ベートーヴェン 「月光」

 ベートーヴェンのピアノソナタ第14番「月光」を聞きました。CDは、グルダ盤です。  この曲は、ベートーヴェンのピアノソナタのなかでもっとも知られた曲だと思います。「月光」という題名は、ベートーヴェンがつけたものではなく、のちに詩人ルードウィッヒ・レルシュターブが「ルツェルン湖の月光の波にゆれる小舟」と言ったことから使われるようになりました。ベートーヴェンは、「幻想風ソナタ」とよんでいます。第…

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ベートーヴェン 「悲愴」

 ベートーヴェンのピアノソナタ第8番「悲愴」を聞きました。CDは、グルダ盤です。  この曲は、ベートーヴェン初期の傑作です。「月光」・「熱情」とともに三大ピアノソナタともいわれ、多くのCDは、この3曲を収録しています。グルダ盤もこの3曲が入っています。ベートーヴェンの曲の題名は、その多くが別の人がつけたものですが、この「悲愴」はベートーヴェン自身がつけたものです。  第1楽章は、ゆっくりとし…

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ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番

 ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を聞きました。CDは、ケンプ/ライトナー盤です。  この曲は、ピアノ協奏曲第1番・第2番と同じように、伝統的な協奏曲の形式で書かれていますが、内容的にはベートーヴェンの交響曲を思わせるような雄大さがあります。第1楽章が、とくに雄大さを感じさせます。第2楽章は、ゆったりとしたおだやかな音楽です。第3楽章は、ロンドといういせいもあるのかもしれないのですが、ベート…

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ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番

 ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を聞きました。CDは、ケンプ/ライトナー盤です。  この曲は、第5番「皇帝」ほど知られてはいませんが、冒頭、いきなりピアノで開始されるといった、当時としては革新的なつくりになっています。「皇帝」の雄渾さに対して、この曲は、優雅な雰囲気から女王にたとえられることもあります。  冒頭のピアノの旋律は、同じ音の連打なので、「運命の動機」にもたとえられますが、雰囲…

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ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第7番

 ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1番」を聞きました。CDは、スメタナ四重奏団盤です。  この曲は、5年ぶりに書かれた弦楽四重奏曲で、それまでの作品のようなハイドン・モーツァルトの影響を離れ、ベートーヴェン独自の世界に到達した、中期の傑作の始まりとなった作品です。第1楽章冒頭は、交響曲「英雄」を思わせるといわれるのをはじめ、雄大な規模を持ち、外へ向かっていく音楽といわれてい…

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ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第8番

 ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第8番「ラズモフスキー第2番」を聞きました。CDは、スメタナ四重奏団盤です。  この曲は、第7番が外へ向かっていくのとは対照的に、内へ向かっていく感じといわれています。とくに、第2楽章についてベートーベンは、「この楽章は深い感情を持って演奏するように」と指定しているのが、その特徴をよくあらわしています。また、ラズモフスキーの3曲のなかで、この曲だけが短調で書かれて…

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ベートーヴェン 「運命」

 ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」を聞きました。CDは、きのう聞こうか迷ったクライバー盤です。  「運命」は、レコード時代には、「未完成」とのカップリングで、クラシック音楽入門の代表的なものでした。わたしも、2曲のカップリングのレコードを何枚か持っていました。しかし、入門用というイメージもあって、「運命」をだんだん聞かなくなってしまいました。  しかし、しばらく前にクライバー盤を買ってか…

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ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第10番「ハープ」

 ようやく大掃除も終わり、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第10番「ハープ」を聞きました。CDは、きのうと同じスメタナ四重奏団盤です。  この曲の「ハープ」という名前は、第1楽章で多く使われているピチカートが、ハープの音を思わせるということに由来します。また、第3楽章では、「運命」の動機に似た激しいリズムも印象的です。そういう点では、きのう聞いた「ラズモフスキー第3番」よりも親しみやすい気がしまし…

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ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第9番

 ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第9番「ラズモフスキー第3番」を聞きましたCDは、スメタナ四重奏団盤(1979年録音)です。  ラズモフスキーという名前は、この曲を含む3曲がラズモフスキー伯爵に献呈されたことによります。それ以前の曲が、ハイドンやモーツァルトの延長線上であったのに対し、この3曲は、弦楽四重奏曲の新しい世界を開いた名曲です。ただ、そのおかげで、当時の人々には理解されず、あまり評判が…

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