カラヤン/ベルリン・フィルの来日は、このときが9年ぶり2度め(カラヤンは4度め)で、東京文化会館で5日連続のベートーヴェンの交響曲全曲演奏会をおこなってから、22日間で11都市を回り、18回の演奏会をおこなうというハードなものだったそうです。それを迎えた聴衆の熱狂ぶりも異例で、高額のチケットを買うために並ぶファンの様子は、社会現象としてニュースになるほどだったといいます。
その録音は、50年以上前のものだけに、ひずみ、ドロップアウト、ノイズのあるものもありますが、聞きづらいというほどではないようです。演奏内容については、ライブにおけるカラヤンの熱さということが中心になっています。これは、よく言われることで、カラヤンは、ライブではセッション録音と違って、とても熱い演奏をおこなうのだそうです。今回のベートーヴェンの交響曲では、合奏の精度は、セッション録音に遠く及ばないどころか、これがベルリン・フィルかと思うようなミスもあるそうです。しかし、「英雄」や「運命」の緊張感がすごいし、第7番終楽章などは暴走に近い勢いで駆け抜けるといいます。文章だけ読んでも、セッション録音のカラヤンとは別人という気がします。
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